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桃色の花雨が舞う八重桜トンネル

毎日忙しく過ごした時間で桜の見物時期を逃して残念だったら、桜より少し遅く満開する八重桜を見に完山花園に行けば良い。桜も美しいが、八重桜はより鮮やかでふさふさとした美しさがある。満開の桜が白に近いピンクなら満開の桜はそれより濃い色でピンクの波を成す。幾重にも集まっている花びらがまるで豊かなフリルドレスのようだ。

両側に並んだ八重桜の木々は、うず高く実った花びらが重いか、長い枝を下に垂らしてトンネルを作った。自然が作ってくれた美しい花のトンネルだ。額についた汗を拭こうと吹いてくる風にピンク色の花雨が、ひらひらと舞うとあちこちから感嘆の声が上がっている。

ツツジの群落が作ってくれた赤い色の花の陰

ツツジといえば普通、腰の高さくらいの花壇のツツジが思い浮かびます。完山花園で出会うツツジは、これが本当にツツジかと思うほど、その規模が格別だ。華やかで鮮やかな赤色で群落を成す完山花園のツツジは、大きさが頭上をはるかに超える花木で、八重桜がピンク色の花のトンネルを作ったとすれば、数多くのツツジの群落は頭の上に果てしなく広がる赤い花の花陰をなす。

顔に出る赤い光がツツジの木が作ってくれた花陰なのか、美しいツツジに囲まれて上気した顔色なのか紛らわしい。目を向ける場所ごとにきれいな風景がいっぱいだ。 花陰の中で今の美しい風景を思い出に残すための写真撮影が真っ最中だ。‘ここ見て、ここに来て。とてもきれい！‘という声があちこちから聞こえてくる。

美しい風景を大切な人と分かち合いたい気持ちは皆同じみたいだ。 花の枝越しに見えるみんなの顔にときめく笑みがいっぱいだ。満開のツツジが作ってくれた花陰の間を歩いたり、あずま屋に座って休んだり、満開の春に酔ってみよう。