2023-2024韓国観光100選選定
1日旅行必須コース
全州韓屋村を知らない人はほとんどいないだろう。 2010年に全州市が国際スローシティに指定されて以来、全州はわずか5年余りで国内外の観光旅行先に関する色んなアンケート調査で最上位圏を占めている。1年以内に訪れるべきアジアの名所3位(2016)、最も多く訪れた国内旅行先1位(2017)、北朝鮮に紹介したい名所1位(2018)など、全州は今や韓国だけでなく世界的にも有名な文化観光地となっており、Kカルチャーの名声と地位が高まるにつれ、ますます外国人訪問客の数も増えている。
旅行好きならすでに全州に慣れているかもしれないが、まだ韓国国内旅行が不慣れな旅行初心者だったり、 家族、恋人、友人との短い週末旅行を計画する人なら全州韓屋村はお墨付きのなおすすめ旅行名所だ。時間とお金が許せば、1ヶ月ほどゆったりと滞在しながら伝統と自然を体験するのに良い場所だが、忙しい現代人のために、今回は韓屋村の短期旅行者のための必須コースだけをまとめて紹介したい。
時間がなくて全部回れず、体力がなくて全部体験できなくても、
ここだけは必ず訪れて、これだけは必ずやってみよう。
そうしてこそ全州韓屋村に行ってきたとちゃんと言えるだろうから。
韓屋村の絶景を鑑賞したいなら梧木台トゥルレギル、南川橋の青淵楼、そして夜景散歩
全州韓屋村では毎日あちこちで観光解説ツアーが行われる(詳しいツアー情報は韓屋村ホームページを参照)。テーマ別に計8つのツアーコースがあり、所要時間はコース別におよそ1時間程度だ。韓屋村の主な歴史と文化拠点の中をゆっくり歩きながら詳細説明が聞きたいなら、韓屋村が提供する観光解説ツアーを積極的に活用しよう。

観光客の少ない道を歩きながら韓屋村をゆっくり満喫したいなら、第2コースである「郷校ソンビギルツアー」がおすすめだ。梧木台観光案内所からスタートし、堂山の木、ヤンサジェ、全州郷校を経て南川橋青淵楼で終わる、景色の美しい散歩コースだ。
コースの始まりである梧木台に登るトゥルレキルは、東西南北の色々な方向につながっており、短い上り坂と緩やかな階段で構成されていて軽い運動にもなる。梧木台は高麗時代末期、太祖イ·ソンゲが王になる前に倭寇を征伐し勝戦鼓を鳴らしながら宴を開いたという高い亭で、彼が漢を創始した劉邦の「大風歌」を詠みながら朝鮮建国の野心を抱いたという場所だ。


梧木台は何よりも風に吹かれながら見下ろす韓屋村の全景が一品だ。あちこちに造成された展望台、瓦塀、壁画などの見どころも欠かさず鑑賞し、フォトゾーンで写真も撮ろう。昼と夜、いつ見ても素晴らしい景色だが、全州旅行は初めてというなら、ぜひ真っ先に立ち寄って韓屋村の絶景をパノラマで鑑賞していただきたい。

韓屋村を眺望するのに最適な2つ目のビューポイントは、南川橋の青淵楼だ。南川橋は韓屋村の最南端、全州川を渡って棲鶴洞芸術村に向かう虹の形をした大きな橋脚で、長さは82.5m、幅は25mもある。

南川橋の上には伝統韓屋の八つ屋根を頭に載せた大型楼閣である青淵楼がある。名実共に韓屋村最高のランドマークであり憩いの場でもある清淵楼には、四季折々涼しい風が吹く。靴を脱いで床に上がると、自然河川である全州川が周辺の山と村を巻き込んで流れ、自然風景と調和する絶景を一望できる。


特に夏場に疲れた足を休ませようと多くの人が青淵楼を訪れるが、桜が咲き乱れる春や紅葉が染まる秋、雪の降る冬にも絵に出てきそうな幻想的な風景を見ることができる。「青淵楼」という名前も全州8景の一つである「寒碧青淵」から取ったものというので、美しい景色が見たい旅行者なら梧木台とともに必ず訪れるべき名所と言えよう。
韓屋村の観光はほとんどが昼間に行われるだろうが、日が暮れた後の風景を見ないと韓屋村を半分しか見ていなことになる。少しでも体力があれば夕食を食べて、ぜひ韓屋村で夜景をみながら散歩をしてみよう。遠くから見える光に包まれた梧木台と南川橋清淵楼も美しく、路地の隅々にある1,000軒余りの韓屋の瓦、塀、木の門肌のキメ模様が、細心に造成された照明の光と混じって昼より美しくほのかに光を放つ。韓屋村の真骨頂は混雑する人波と騒音、日差しが消えた夜になってようやく現れる。

- 位置
- 梧木台 梧木台トゥルレキル : 55, Girin-daero, Wansan-gu, Jeonju-si, Jeollabuk-do, Republic of Korea 地図を見る
南川橋と清淵楼 : 940-2, Dongseohak-dong, Wansan-gu, Jeonju-si, Jeollabuk-do, Republic of Korea 地図を見る
- 営業時間
- 常時開放
- ホームページ
- http://hanok.jeonju.go.kr/ (韓屋村) 訪問する
朝鮮王朝の魂が宿っている場所慶基殿、そして御真博物館
全州韓屋村には色んな文化遺跡地と展示館、博物館などがあり、伝統関連体験を提供する文化施設もあちこちにもうけられている。短期間では見回りきれないほど多くの拠点があるが、絶対に外してはならないところがある。 韓屋村の象徴、魂、心臓と呼ばれる「慶基殿」だ。

多くの観光客が慶基殿を訪れるが、おそらくここがどんなところなのか深く知っている人はそう多くいないだろう。慶基殿は太祖イ・ソンゲの肖像画(御真影)を祀るために太宗10年に建てられた建物で、 イ・ソンゲから500年王家を継いだ全州李氏の本郷であるここに現在の韓屋村が造成されたことと密接に関係している。慶基殿という名称は「王朝が起きてめでたい場所」を意味する。

韓屋村の象徴らしく、観光解説ツアーは慶基殿ツアーを第1コースとしている。午前10時から毎時解説ツアーが始まるので、慶基殿が気になる方にはツアープログラムに参加することをおすすめしたい。主なコースは紅箭門(赤塗りの門)から始まり、外三門、内三門、真田(太祖御真を祀った場所)、 全州史庫(朝鮮王朝実録が保管された場所)を経て、最後に睿宗大王の胎室(臍帯を埋めた場所)と碑を訪れる。その他にも全州李氏の始祖と伝えられる新羅時代のイ・ハンの位牌を祀った肇慶廟が慶基殿内にある。

慶基殿の中で必ず訪れるべき場所は、太祖イ・ソンゲの様々な肖像画が見られる「御真博物館」であり、太祖の他にも多くの王の肖像画を保管している韓国唯一の博物館だ。 博物館は太祖御真室、世宗を含む6人の王の肖像が安置された御真室、慶基殿と太祖御真影の歴史が収録された歴史室、御真影安置時に使われた窯と遺物が展示された窯室からなっている。

王の肖像画(遺影)は、単に追悼の意味だけでなく、王室の永久存続を図る意味が大きい。特に太祖の遺影は朝鮮の開国始祖として時代的により象徴的な意味を持っていると言えよう。壬辰倭乱と丁酉再乱の時、太祖御真影の消失を避けるために士人たちがあちこちに御真影を避難させた波乱万丈な受難の歴史がその証だ。

御真博物館は1月1日を除き1年中常設展示を運営しており、朝鮮王朝実録と韓屋村の歴史などをテーマにした企画展示と体験プログラムが随時行われるので、ホームページで事前に日程を確認して訪問すると良いだろう。
慶基殿の入場料は大人基準で3千ウォンであり、慶基殿内どこにも入ることができる。毎月最後の水曜日は「文化のある日」ということで、無料観覧も可能だ。歴史探訪の他にも慶基殿の境内は多様な樹種の古木と宮殿構造の建築物が静かで素敵な景観を成しているので、ゆっくり見て回るのも良い。慶基殿が近隣の全州郷校と共に時代劇ドラマと映画の撮影地として愛されるのもまさにこのような理由があるためだ。特に韓服を着てここで写真を撮ると、どこでどんなポーズで撮っても人生最高のショットが得られる。
- 位置
- 44, Taejo-ro, Wansan-gu, Jeonju-si, Jeollabuk-do, Republic of Korea 地図を見る
- 営業時間
- 夏期(3月~10月) 09:00~19:00
冬季(11月~2月) 09:00~18:00
- ホームページ
- https://jeonju.go.kr/eojinmuseum 訪問する
過去と現在が調和したフュージョン体験コース韓服体験、茶道体験
ソウル景福宮(キョンボククン)をはじめ、今の全国的な宮殿韓服ツアーを流行させたのは、断然全州韓屋村だ。2012年全州で初めて「韓服デー」祭りが開かれて以来、韓服体験は全州韓屋村の代表的な伝統文化体験商品となっている。

現在、韓屋村には韓服衣装をレンタルする業者があちこちに並んでおり、どこでも便利に1時間に2万ウォン程度の費用で髪飾りを含めた韓服フルセットを借りることができる。一般の伝統韓服だけでなく、王と王妃の衣服、ソンビ(士人)と武士、妓生の衣服、華麗に変形された改良韓服、ドラマを通じて有名になった近代衣装と昔の制服まで様々な衣装を体験できる。
天気の良い週末、韓屋村の通りを歩いていると老若男女を問わず、好みに合わせて韓服を着た人々が目に入る。今やお正月にもなかなか見ない韓服をここでは1年中見ることができ、いくら独特な衣装を着ても周辺を気にする必要はない。さらには男女が互いの服を着替えたり、普段絶対に着られないような面白いコンセプト衣装を着てコントをしたり、人生写真を撮ったりする観光客も多い。韓屋村が単なる観光地ではなく、日常からの脱出を楽しむ体験空間に進化しているのだ。


韓服でおしゃれしたら、それにふさわしい体験にチャレンジしよう。韓屋村で韓服を着たままできる最も普遍的かつ安価で上品な体験には、伝統茶茶道体験がある。韓屋村には承光斎や寒碧文化館のように団体乃お客さんを対象に茶道体験を提供する文化施設もあるが、今回は安く個人茶道体験ができる茶花園を紹介したい。伝統韓屋の構造そのままになっており、こじんまりしていて居心地の良い座敷型伝統喫茶店である。


丸太を整えて作った低いテーブルと染めていない木綿で作った座布団、盆栽と土器がきれいで、あちこちに展示された茶器セットも目を楽しませてくれる。一つくらい家の中におくと、自分の部屋の品も高くなるような気がする。

茶花園の長所は、1人当たり6千ウォンの体験費を払えば、茶道体験と共に店主が直接漬けた手作り伝統茶を無料でもらえるということだ。コーヒー一杯に6~8千ウォンする近隣の値段を考えると、かなり安い費用に違いない。メニューも多様で緑茶、紅茶、プーアル茶などよく見る車種もあったが、オーナーの推薦にしたがって香りが良いという花茶を飲んでみることにした。さすがに普通にティーバッグで飲んでいたお茶とは香りの深さが違う。
直接温水を注いで淹れる時間、回数、誠意によって味が変わるだけに、手が慎重になり、お茶の味と香りに集中するようになる。花茶からはさわやかなヒビスカスと甘いバラの香りがするが、主に赤い花を集めて作ったお茶だという。無料で提供される伝統茶(パッピンス(カキ氷)もある)。選ぶのが難しいほどメニューの数多く、オーナーの人情ほど量も多く、直接漬けたお茶だからか味も良い。目と口の中と鼻、心がすべて豊かになるここ、誰かと一緒に韓屋村に来られたらぜひ一度訪問するのをおすすめしたい。

- 位置
- 13, Choemyeonghui-gil, Wansan-gu, Jeonju-si, Jeollabuk-do, Republic of Korea 地図を見る
絶対に食べておこう韓屋村の屋台料理探訪
お茶を飲みながら心と体を空にしたなら、これからは本格的なモッパンの番だ。ほかほかの豆もやしクッパと母酒、マッコリ一膳と伝統ビビンバ。ユネスコが選定した料理創意都市である全州を代表する伝統的な食べ物は、一度はぜひ食べていただきたい。しかし、短い時間にいろんなところを歩きながら体力をたくさん使う短期旅行者や多様なフュージョン料理と屋台料理に関心のある若い旅行者なら韓屋村の隅々に並ぶ、美味しそうな匂いがする屋台料理を決して見逃せないだろう。韓屋村の「モクキリスト」と呼ばれるほどだ。韓屋村の食べ物は忙しい旅の途中、楽しさと体力、達成感を増してくれる旅の甘草のような存在だ。韓屋村の屋台料理は味もジャンルも非常に多様だが、その中でも食事の代わりに手軽に食べれる超有名なメニューをいくつか紹介したい。
#タウラン手作り餃子
タウラン手作り餃子店は、小さな餃子店から始まったのが全州モッパンの必須コースとなり、門前市を成していたが、今は名実共に全国区の出前ブランドになった手作り餃子店だ。メニューが一つ二つ増え、現在はなんと餃子の種類だけで22種類にのぼる。何を食べようと迷う時は、店主におすすめメニューを聞こう。オンラインモールには8種ギフトセットまたは22種選びのメニューがあるが、本店にはセットメニューはない。エビ餃子は絶対食べてみよう。

- 位置
- 33, Taejo-ro, Wansan-gu, Jeonju-si, Jeollabuk-do, Republic of Korea 地図を見る
#庶民大金持ち麻薬ユクチョン
もともとユクチョン(肉チヂミ)はおいしい。薄切りして塩をかけて牛肉に卵水をつけた後、油で揚げるためだ。一日中歩き回り、疲れきってお腹が空いた状態で食べると、どれほど美味しいだろう。その場で油の匂いを漂わせながら焼けるチヂミを見ていると、食べたくて食べたくてしようがなくなるが、商号に「麻薬」を付けたのは、おそらくそのような心の状態から始まったのではないかと思う。さわやかなタマネギを添えた焼き立てのユクチョン一皿と冷たい母酒一杯さえあれば、この上ない幸せだろう。

- 位置
- 25-8, Taejo-ro, Wansan-gu, Jeonju-si, Jeollabuk-do, Republic of Korea 地図を見る
#キルゴリヤ・バゲットバーガー
名前通り、路上で持ち歩いてかじって食べるバゲットバーガーが有名だ。パリッとしたバゲットパンの中に辛い味付けの肉と野菜が入っていて食べ終わると口の中は痛くなるが、お腹はいっぱいになる。炭酸ドリンク、ビール、コーヒーなどどんな飲み物と食べても良く合い、安価でお腹いっぱいになる有用な間食として遜色がない。適度にしょっぱくて独特な辛さがあるためか、歩いていてお腹が空くと食べたくなる味だ。

- 位置
- 124, Gyeonggijeon-gil, Wansan-gu, Jeonju-si, Jeollabuk-do, Republic of Korea 地図を見る
#キョドンコロッケ
油で揚げたものはどれもおいしいと言われるが、お墨付きの料理をコロッケの中に入れるとしたら?多分2*2=4くらいの感動的な味がするのではないか。キムチ、ジャガイモ、チャプチェ、カレーなど馴染みのある普通のコロッケから、トッカルビ、クリームチーズ、全州ビビンバ、プルコギビビンバなど全州韓屋村ならではの独特なコロッケが目につく。サクサクしたコロッケの中に辛くて温かいビビンバが隠れている。その味は、決して他のところでは体験できない。平日週末を問わず長蛇の列ができるお店だが、それでも韓屋村に来たなら絶対に食べておこう。

- 位置
- 126, Gyeonggijeon-gil, Wansan-gu, Jeonju-si, Jeollabuk-do, Republic of Korea 地図を見る