全州あちこちの名所をつなぐ文化、歴史、そして自然とともに!
全州チョンリギル(千里の道)ツアー
「湖南第一城、伝統と文化が息づく都市、豊沛之郷(王朝の発祥地の意味)、
完全な町、韓国の華」など、雄大な歴史を誇る全州を表す修飾語はこれだけ多い。
全州は古くから、全羅道を代表する町の一カ所であり、土地が肥沃で険しい山はなく、人々の
気性は優しく、
礼儀を重んじて人情溢れる場所。そのため、この「完全な町(オンゴウル)」、全州市の名前は輝く。
全州チョンリギル(千里の道)ツアーは、このように美しく魅力溢れる都市全州の至るところを訪問できるコースで構成されている
「韓屋村トゥルレギル」では全州市が誇る伝統と若さのアンサンブルを垣間見ることができ、「千年全州マシルギル(散歩道)」は、全州市の現在をそのまま眺望できる。
「コンジサンギル(乾芝山道)では全州市の美しい自然生態と王朝の始まりという象徴的な意味を持つチョギョンダン(肇慶壇)が楽しめる。
全羅北道チョンリギルのスタートライン、「湖南第一門」を通る気持で
全州市に入ってみよう。
じっくり見回る文化の歴史韓屋村トゥルレギル(全州第1道)

「全州」と聞いて、第一に頭に浮かぶ代表的な観光スポットである韓屋村には、依然として多くの観光客が訪れ全州の味と趣を楽しむ。有名なうまいもん通りからのほかにも、韓屋村の本当の味と趣が感じられる場所がたくさん存在する。「韓屋村トゥルレギル」は、韓屋村周辺と全州川に沿って様々な全州の文化遺産と名所を訪問できるコースで、韓屋村を落ち着いた雰囲気の中で周辺までじっくり楽しみたい人にオススメ。全州の韓屋村を訪れる予定なら、みんなが体験するような旅コースよりは、「韓屋村トゥルレギル」に沿ってたっぷり全州を味わってみよう。


全州工芸品展示館からスタートする「韓屋村トゥルレギル」は、繁華な韓屋村の中心から離れ、狭くて小ぢんまりとして路地から始まる。すぐに遭遇する養士斎は、黄土と瓦で模様を成している塀と塀越に見える静かな韓屋に目を引き付けられる。「養士」とは、「士人を養う」という意味で、ここは寺子屋で勉強を終えた青少年らが集まって勉強をしていた場所だった。現在は、「全州未来遺産29」に指定され、観光客に宿泊体験をしてもらえる文化スペースとして活用されている。近くにある「全州郷校」は、かつては官学教育の場だったが、最近は市民に対しパンソリ公演などの伝統文化を紹介する場所に生まれ変わっている。また、ドラマ『赤い袖先のクットン』や『恋慕』の撮影ロケ地としてk-時代劇ドラマの聖地になっており、郷校はもちろん数百年の歴史を有するイチョウまで、観光客の足が絶えない名所と言える
涼しい風に吹かれ、素敵な風情を観想しながら全州川に沿って歩いていたら、川辺道が本格的に始まる。市民による水質改善取り組みできれいな水が流れており、運が良い日には天然記念物のカワウソにも出会える。道に沿って歩いていたら、ケヤキの根が岩の絶壁を包み、孤高な楼閣の姿を風景が調和のとれた美しい寒碧堂が目に入る。少し早いが、ここで一休みをとってみようか。中に入って楼閣から眺める全州川の風景を満喫しよう。すぐ後ろ側にある寒碧トンネルは、ドラマ『二十五、二十一』の撮影地で有名スポットとなり、認証ショットを撮ろうとする観光客で長蛇の列をなしている。ここは日本統治時代に全羅線の鉄道を敷いたときに開けたトンネルで、鉄路は現在「風に当たる道」と名付けられ、この道を通って全州川の上流に向かっていたら、懐かしい路地や家々が並んでいて、まったく退屈にならない。
道に沿って約700mさらに登ると、致命者山聖地と僧巖寺が目に入る。「致命」は殉教の別の言葉で、致命者山聖地は、殿洞カトリック教会とともにカトリック教会で重要な場所である。また、信者でなくても誰でも入って自然のなかで心を癒すことができ、入り口から天辺まで続く花道とてっぺんから見下ろす景色が美しく、たくさんの観光客にきてもらっている名所だ。僧巖寺は、新羅時代第49代王の憲康王が創建した古寺として、近世には大僧正が駐錫し、地方仏教の学風を大きく振興させた寺である。
昔の人々の篤い信仰心を考えながら歩いていたら、旅程の折り返し点を知らせるセクチャン村の入り口を通ることになる。いつのまにか慣れてきた川辺道を降りてきたら自然生態博物館があるが、全州川の生態的価値と全州川に生きる多様な動物・植物を調べることができる。続いた道なりに進み、可愛らしいお店と魅力的な壁画がいっぱいになっているジャマン壁画村に入ってみよう。華やかな彩りの壁がのお陰か、急にムードが一変して気持が盛り上がる。村を一周したあと、橋を渡って旅程の最後を飾る梧木台の坂に登る。李氏朝鮮の初代国王の李成桂が高麗時代に倭冦を大きく破って勝利を勝ち取った場所である梧木台は、韓屋村トゥルレギルの中で高度が最も高い場所である。そのため、全州の全景を一望でき、旅程の終わりにするには格好の場所である。そのあとに木材階段を降りてきたら、旅程の終了場所となる全州工芸品展示館に到着する。
ひっそり訪れる千年の古都千年全州マシルギル(全州第2道)

「マシルギル」とは、お隣りに遊びに行くという意味で、その分気軽に歩いていたら、生態的、歴史・文化的価値が宿っている名所に遭遇できる道である。「千年全州マシルギル」は、国立無形遺産院から出発して5時間かかるコースとして、半日で百済時代から朝鮮時代、現在に至るまでの千年の古都「全州」をたっぷり感じることができる。寒くも暑くもなく歩きにちょうど良い9月から晩秋まで、全州韓屋村と南部市場辺りを一番かんたんに見回れるこのコースをお勧めしたい。もし、日程的に余裕のある観光客なら、韓屋村トゥルレギル(全州第1道)に続いて歩いてみるのも良いだろう。


国立無形遺産院は、人類の無形文化遺産を保存してそのまま子孫に伝承するために2013年設立され、様々な文化遺産の公演と常設展示室、企画展示室、無形文化記念館での展示が行われている。まずは展示を楽しんでから本格的なツアーに入るのも良いだろう。勇壮な国立無形遺産院でスニーカーの紐をしっかり結び、ほそ道湧き水のところに向かって歩いていこう。かなり高い南固山に登るためには、湧き水の出るとろこからちょろちょろ流れる水で喉の乾きを解消しながら心の準備をしよう。
南固山の険しい形勢と混じり合っている荘厳でありながら懐かしい土色の南固山城は、後期百済の都であった全州を守るために甄萱(キョン・フォン)王が築城した。壬辰倭乱(文禄・慶長の役)のとき、全州府の長を勤めたイ・ジョンランが日本軍に対抗するために補修した山城で、国を守ろうとした彼の切な気持ちが伝わる。盛り上がった岩で自然の山城を思わせる山道に沿って望景臺を踏んで立つと、遥かに全州が一目で見渡せる。広々とした景色を見て息が落ち着きを取り戻し、来てよかったと思うだろう。
出発先の国立無形遺産院を再び通ると、坤止山の裾野にある緑の岩に出会える。岩壁と川風が会ってコケを咲かせて作られた緑の岩は、カトリック教と東学農民の悲しい歴史が宿った場所であり、全州未来遺産16号である。名前通に削られた絶壁と茂っている森の青っぽい彩りが異質的ながらも素敵である。
ここから続く道は完山七峰につながり、四季の華やかな風景と緑で知られた完山公園に至る。東学農民軍と官軍の戦場でもあったヨンモリ(竜の首)峠を通ると、朝鮮時代の武芸修練所であると同時に矢場だった多佳公園に到着。全州八景を抱いた都会の公園である多佳公園は、小ぢんまりとしているが見所いっぱいだ。 最後に、終了地である国立無形遺産院に向かいながら、百済と朝鮮時代から現在に至るまでの全州の歴史を振り返ってみる。
生き生きと息づいた全州の自然と文化乾址山道(コンジサンギル)(全州第3道)

青くてかなり高くなった空、眺めているとなんだか旅行意欲が沸いてくる入道雲、そよそよと吹いてくる爽やかな風まで加わると、私たちは多忙な日常の中で忘れていた自然を楽しみたくなる。この言葉に共感したあなたは、「乾址山道」を欲しがっているに決まっている。乾址山は、朝鮮王家の始まりであり生態の宝庫として有名で、全州第一の山として市民に愛されている。また、高度が低く山道も険しくないため、山登りよりは散歩向けの山というべき身近な山である。乾址山道コースで歩くと乾址山一周が終わり、回りに全州動物園や全北大学の繁華街、徳津公園があるので旅程に入れても良い。


生き生きとした自然とともに全州の魂垣間見られる乾址山道は、蓮花村の入り口から旅程が始まる。 懐かしい町碑石の向こう側にある案内表示を見てそちらに移動する。本格的な出入り口のように見えた20個あまりの低い階段を過ぎて森の中に入る。空に向かって茂っている木の葉と、その間に間に見える青空を眺めながら歩いていたら、いつのまにかホンブル文学公園に至る。ここには、小説家のチェ・ミョンヒさんが眠っていて心が敬虔になる。小説『ホンブル』の文章があちらこちらに刻まれており、落ち着いた雰囲気の中で文学的情緒を感じることができる。
楽しい気持で向かう五松堤は、韓国で10個所にしかないと言われる希少植物のタコノアシとミズトラノオを抱いた生態環境がよく保全されている場所だ。何よりも平穏で美しい風景をバックに人生一番のショットを撮りに訪れる若者が多い。また、たくさんの人々の足が絶えなかったお陰で固くなった道の真ん中にはヒノキの森があり、ほんのりしたヒノキの香りの中で休憩をとることができる。ここにはヒノキのほか、コノテガシワとサワラギも一緒に生息しているというので、ゆっくり見回るのも一つの楽しみになる。

続いて、動物園の裏道に沿って緩やかな坂を登りながら森林浴を満喫していたら、いつのまにか乾址山の頂上に到着。頂上から全州市内全景を一望していると、なんだか胸がいっぱいになる。降りる途中で,位置と外観から魅力溢れる森の中の図書館が見当たるが、好奇心が刺激される。小さく見えても約3千册の本が置いてあり、窓の外に見えるビューや森の真ん中で本を読む体験は、特別な思い出になるに間違いない。

そこから500m程度過ぎると、全羅北道記念物第3号の肇慶壇が見える。肇慶壇は、全州李氏始祖の李翰(イ・ハン)の墓域で、慶基殿とともに全州が朝鮮王朝の発源地であることを象徴する意味のある場所だ。伝統的な建築様式の仄かな美しさを見られるだけでなく、こんもりとした森がくれるプレゼントがなんなのかが分かる。蓮花村に戻ったら、周辺の様々な文化施設を見回るのもオススメ。
資料の出典・参考サイト
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チョンリギル代表ホームページ : 全羅北道生態観光https://www.jb-ecotour.org/main